週刊:日本近現代史の空の下で。

過去に向きあう。未来を手に入れる。(ガンバるの反対はサボるではありません)

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

カズオ・イシグロ氏の日本論から:「どん底からの逆転」神話の嘘と罪

先日ノーベル文学賞に選ばれたカズオ・イシグロ氏は、2年前のインタビューのなかで、日本は戦争という過去を忘れすぎているが、すでに「ショックに対する抵抗力の強い国」になったので、それに向き合うべきだという考えを語っています。 business.nikkeibp.…

航空燃料国産化と日米開戦:国立公文書館所蔵の知られざる聴取書群から

あまり知られていないことですが、昭和31年からおこなわれた、旧陸海軍人を中心としたヒアリングの記録が国立公文書館に保管されており、誰でも閲覧することができます。その史料について、拙著『終戦史』では、こう紹介しています。 元海軍大佐の豊田隅雄…

吉田自由党:幻の「憲法改正→1955年に再軍備」案

65年前の1952(昭和27)年、憲法を改正したうえで再軍備を行うという政策案を、当時の与党・自由党が準備していました。自由党、といっても、現在の小沢一郎のではなく、自由民主党の前身、吉田茂率いる自由党のことです。 その自由党が、サンフラン…

東條“親切”内閣

「国民に対し親切第一」と東條英機が内閣首脳への初訓示で語ったという、朝日新聞記事(昭16.10.22夕刊)。 特にお願いしたいことは「親切」ということである。ご承知の通り国民の多数が戦地において死を賭して幾多の辛苦を重ね、銃後の国民はまた一億一心、…